新年のご挨拶を申し上げます。旧年は、関係者の方々、とりわけ生徒、保護者の皆様に置かれましては、誠にお世話になりました。
束の間の休みに、年末アンケートのご回答に目を通しつつ、いい一年だったと振り返ることができました。忙しい師走に、毎年これだけ多くの声を頂けるのは、塾の軌道がズレていないことの証でもありますし、新たな年に向けて働く励みにもなります。ご協力頂き、有難うごさいます。
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気分新たに、新年最初の大安吉日、湯島天満宮に参拝。毎年恒例の大切な行事。学問の神へのご挨拶と、生徒に配る学業成就鉛筆や御守り等を授かりに行く(毎年楽しみに待ってくれたり、中には鉛筆を使わずにすべて取っておいてくれたりする生徒も多い)。
列に並んで5分ほど待つと、自分の番が巡ってきた。二十歳くらい?の若い巫女さんに、「この御守りと、御札と、、あと鉛筆を○00本」と伝えると、「! ○00本ですか、、少々お待ちください」と言い残して、後ろの男性にヒソヒソと相談し始めた。すると男性が前に出てきて、「○00本ですか?、、、塾の方ですかね?」と、見事的中される。鉛筆を買うために職業を尋ねられたことは一度もなかったが、、なぜだろう。鉛筆が一定数に達すると、社務所の責任者が確認する(購入者の職業、鉛筆の用途)、といったルールでもあるのだろうか。おかしな世の中だから、転売目的の罰当たりな輩もいるかも知れない。在庫に限りもあるろう。丁寧に鉛筆を袋に収めてくださる巫女さんの、胸元のネームプレートが目に入る。名字に「勝」の一文字。よし。
新年と言えば、今からちょうど○十年前の今頃、わたしはスイスにいた。クリスマスシーズンに、カタルーニャの友人にパーティーに招かれ、『赤い下着を身に付けて横ひもをハサミで切ると幸せになる』という謎の儀式に巻き込まれて辱めを受けたが、おかげで異国の地での寂しさを紛らわすことができた。カタルーニャを後にして、新年に友人が待つスイスに向かった。
道中、夜行列車に揺られながら、夜中の丑三つ時に、何と金縛りにかかってしまった。焦った。が、それまで金縛りには何度も掛かっていたお陰で『解き方』を知っていた(塾みたいだ)。精神を統一して『気合いの一喝を入れる』というマイメソッド。しかし「喝!」(※「勝つ!」ではない)と気合いを入れすぎて、太い声が思わず口から漏れてしまった。金縛りは解けたものの、暗い車内でぐっすり寝ていた乗客三名(おそらくヨーロッパ人)が飛び起きて、こちらをじっと睨んでいる。やばい、「いや、これは kanashibari と言って、、」と英語で説明しようかと思ったが、色々な理由からやめた方がいいと悟り、そのまま目を閉じた。後日、ヨーロッパのどこかで「謎の東洋人と出会ったんだよ…」と、旅の思い出話に使われたかも知れない。余談だが、向こうでできた友人たちに、何度も『金縛り』を説明してみたが、一人も理解してもらえなかったのは、なぜだろう?
このデジタル化が進む世の中で、年賀状を送り合うアナログ仲間は、今年で残り5人になった。そのうちの一人が、スイス人のジュリアン。年一度の日本式交流を続けている。年賀状に贈り物を添えて送ることになっていて、ジュリアンからは、スイスのチョコレート。ワタシからは、名湯シリーズの入浴剤と温泉に関する書籍を一冊、送り合う。この個人的な異文化交流儀式は、かれこれ○十年続いている。当初はただの『ノリ』で始めたのに、日本&温泉好きなジュリアンのために入浴剤を選んだり、ムックの温泉特集『秘湯編』『名湯100選』といったテーマを選んだりするのが楽しくなってしまった。まさかこんなに長く続くことになるとは…。彼のきれいな日本語(トップ画像を参照)を眺めると、心が洗われるような清々しい気分になる。気付けば毎年、年の瀬になると、年賀状とチョコレートを心待ちにする自分がいる。
今年はアポロンの8周年、ユウリカの5周年の節目になる。手前味噌だが、なかなかいい塾になってきたと思う。大見得を切って『名門塾』を作ろうと意気込みながら、でもそれには10年はかかるよな、とも思いつつ、一年一年積み重ねてきた。一陽来復。何かをひたすら続けていると、素敵な僥倖に恵まれたり、後から深い意味や価値に気付いたりすることがある。スイス人の年賀状を読みながら頬ぼるチョコレートの幸福感と、日本人の年賀状を読みながら(疑似)温泉に浸かる幸福感。続けるうちに、どんどん増していく。有難い、連続体。
そして笑門来福。生徒にとって幸多き年であるよう願いつつ、、鉛筆を手渡す。Happy Neay Year🌅
今月の曲は、、、
↓日本のシティポップからの、、、①Ginger Root – “Loretta”
↓日本のシティポップからの、、、②boy pablo – Everytime
↓日本のシティポップからの、、、③Mac DeMarco – Chamber of Reflection (Live on KEXP)
↓日本のいい曲 ④星野源 – 地獄でなぜ悪い (Official Video)